駐車場雑学

地震に備える駐車場・地震に強い駐車場

日本において発生頻度が割と高いにもかかわらず、その予測がほとんど不可能な災害が、地震です。

ある日突然、思いもよらぬタイミングで襲ってくる地震災害では、自宅や自家用車の被害というよりも何より、身の安全の確保が第一優先です。

しかしその上で、あらかじめ普段から緊急時のシミュレーションを行った上で対策を講じていれば、何もしていないよりはかなり効果的に動くことが出来ます。

これは、実際に大地震を経験したことがある人ほど、身に染みて感じる部分だと思います。

今回は、駐車場・自家用車について普段から打てる対策等について解説していきます。

 

機械式駐車場における地震発生時の注意点

機械式駐車場の中には、もっともシェアの大きい多段方式・二段方式の他に、垂直循環方式、エレベーター方式など、様々な種類の駐車場が存在します。

それらは仕組みも形もそれぞれですが、すべてに共通して言える地震発生時のリスクとして、機械が動かなくなってしまい、自動車を外に出すことも入れることもできなくなってしまう可能性が高い、という点です。

ただの停電程度ならまだしも、大地震が起こった際などは、装置全体に重大な故障が発生していないかわからないうちに再稼働させるのは危険ですし、そもそも動かせないケースがほとんどだと思います。

これにより、自家用車を使って遠くに買い出しに行くとか、安全な場所に避難して車中泊をするなどという手段が使えなくなってしまいます。

大きな地震の際には公共交通機関も止まってしまうケースがほとんどでしょうから、完全に遠方に移動する足を失ってしまう形となります。

地震によって道路にひびがはいったりして完全に通行できなくなっていればいずれにしても同じことではあるのですが、震源地のかなり近く以外は、震度6クラス以上でも割と道路は無事というケースはあります。

余震がある程度落ち着いた状態で買い出しに行こうと思っても、近辺はほぼ売り切れ状態、遠出をして買い出ししたくても足がないという状況に陥りがちです。

自家用車を動かすことができれば、とりあえず都道府県をまたいで移動をすると、割と物資は豊富に残っていたりもするのですが、その手段が取れないのはかなりきついと言っていいでしょう。

 

こうしたリスクに対応するために、機械式駐車場を利用しているのであれば、普段からまずは緊急時用の水の買い置き、食糧他緊急時に必要とされる災害バックの準備が必須です。

最低でも、三日、できれば一週間程度は補給がなくても家族全員どうにかなる、という水準の物資の確保がしてあれば安心です。

戸建ての駐車場における地震発生時の注意点

戸建ての駐車場は、家の作りや隣近所との距離感などによって様々なバリエーションがあるため一概には言えない部分が多いのですが、地震発生時に危険があるとしたら、カーポートの破損、倒壊、そして隣接する住宅からの瓦の落下です。

雪が降る地域では、カーポートに積もった雪の重量が加わり、カーポートが倒壊してしまった事例が多いです。

事前の対策としては、少しでも耐震性に優れたカーポートを選んで建てる、もしくはカーポートを作らない、という選択肢もあります。

ただし、カーポートが倒壊するほどの大地震など、生涯に数度遭遇するかどうかだと思うので、いつ起こるかわからない大地震におびえてカーポートを作らないという選択肢が正解なのかはわかりません。

リスクを踏まえつつ、慎重に検討しましょう。

 

自宅の駐車場において、もう一点、非常に危険なのが、瓦の落下です。自宅の瓦もそうなのですが、住宅が密接する地域では隣の家の瓦が脅威になるケースも少なくありません。

実際に筆者は、震度6クラスの地震で隣の家の瓦が落ちてきて、自宅駐車場に止めていた自家用車2台のガラスが割られてしまいました。同じく、瓦で指を負傷した知人もおり、地震発生時の瓦の危険性を再認識させられました。

とはいえ、自宅はともかく隣の家の瓦屋根を事前に変更してもらうことは難しく、現実問題として対策が取りにくいのが大きな問題です。

せめてもの知識として、新築一戸建てを建てる際には、駐車場の位置関係、隣近所との距離、を確認しておくことで、大地震発生時の自宅駐車場の危険を少しでも減らすことができます。

 

ガレージにも機械式駐車場と同じリスク

戸建の駐車場に、カーポートではなくガレージを設置している場合、地震発生時には機械式駐車場と似たようなリスクが発生します。

つまり、装置の故障、停止により、自家用車を外に出すことが出来なくなるリスクです。

とはいえ、カーポートの場合と比べると倒壊リスクはかなり低いと考えられますし、ガレージの中に倒れ掛かってくるような荷物を置いていない限りにおいて、自家用車が破損する恐れは低いと思われます。

また、エレベーター方式/垂直循環方式駐車場と比べれば、他の住民との兼ね合いもあってなかなか車を外に出せないということもありませんから、その点はやや有利です。

場合によっては長期間にわたってガレージ内に自家用車が閉じ込められてしまう可能性は否定できませんから、機械式駐車場の場合と同じく、緊急時の水や食糧他の災害バックを常時用意しておきましょう。

 

平置き駐車場における地震発生時の注意点

数ある駐車場の中で、地震災害に最も強い駐車場は、やはり平置き駐車場です。

平置きであれば、二段方式やエレベーター方式を含む機械式駐車場のように停電や故障で使えなくなってしまうことがなく、戸建の駐車場のように上からの落下物の心配もないためです。

状況によっては、そのまま車内に避難することで、安全を確保しつつ車中泊で夜をしのぐこともできます。

道路が無事で、ある程度余震が収まれば、平置き駐車場に停めていた自家用車で自由に動き回ることもできるため、物資不足の状況にも割と強く、他の都道府県まで足を伸ばして避難することも可能です。

もし自動車で行ける範囲の遠方に親戚がいるのなら、そこまで行くなんてこともできます。

 

ただし注意点としては、平置きではあるけれど、チェーンゲートなどの駐車場ゲートが設置してある場合、地震による故障や停止によって、ゲートが開かなくなっているケースも考えられます。この場合には、機械式駐車場と同じように機動力は制限されてしまいます。

 

地震は常に起こり得る/普段から緊急時の備えを

以上見てきた通り、一般的に自家用車のセキュリティや保護を重視する場合には最も不利な平置き駐車場ですが、地震災害時には逆に最も有利になります。

そう考えると、平常時・緊急時の両方のメリットを併せ持った駐車場を見つけるのは、非常に難しいということがわかります。

何を優先し重視するのかを考えた上で駐車場は選びましょう。