FXトレード備忘録です。
先週末の金曜日(2025年9月5日)のアメリカ雇用統計では、予想を下回る弱い数字により、ドル円相場は148円台から146円台まで一気に急落しました。
その後、週末リスクを嫌気してか買戻しも入り、最終的には147円台を回復して引けたドル円相場。
そして、翌日の土曜日には、事前観測通りに石破首相の辞任が正式に発表され、週明け8日月曜日は大きく窓開けスタート、さらに148円台半ばまで一気に円売りが進む展開に。
しかしそのあとは、上値を追い切れずに失速し、NY序盤にかけて下落、終値では147円台前半になりました。
あるいは、円売りがしばらく続き、一定の上昇トレンドを作るかとも思っていたのですが、とんでもなかったです。
結局はレンジに戻ってきただけで、日足的には全く動いていない状態。
上も下もどちらも想定できる、まさにエントリーできない位置。
そんな中、日銀のヘッドラインで一旦下、ようやくレンジを抜けるかと思わせてからの一気の戻し。
本当によくわからない展開が続いています。
で、そんな中での9日、動意の見られない展開が序盤から見られていましたが、日中日銀関連のヘッドラインが出たことで、一旦大きく下落する場面もありましたが、すぐに見直され、一気に戻して146.8付近。
その状態で迎えたのが、23時の非農業部門雇用者数(年次改定)。
経済指標カレンダーに記載されていないため、油断すると突然の変動にやられてしまいやすい、という注意すべき発表です。
非農業部門雇用者数(年次改定)とは
非農業部門雇用者数(年次改定)については以下の通り。

米国の雇用統計(NFP: Non-Farm Payrolls)のうち、毎月発表される雇用者数のデータを、年に1回まとめて修正(改定)する作業のこと。
米労働省(BLS)は、毎月「非農業部門雇用者数(NFP)」を速報値・改定値として発表。
ただし、速報値はサンプル調査に基づいているため誤差があり、数か月後に「月次改定」が入る。
さらに、年に1度(通常は1月分の発表に合わせて)、「年次改定(ベンチマーク改定)」が行われる。
これは、より正確な失業保険税の納付記録(ほぼ全数データ)と照合し、過去1年間の雇用者数統計を大きく見直すもの。
毎月の「上方修正/下方修正」とは別枠で、年次ベースでまとめて大幅修正される。
数十万人単位の差が出ることもあり、市場でも重要視される。
FRB(米連邦準備制度)や投資家が労働市場の実態を把握する上で、この年次改定は大きな材料になる。
非農業部門雇用者数(年次改定)発表後のドル円の動き
発表直後、数字が大きく下振れしていたため、一気に下に下落しました。

が、底を付けた後に上昇を開始。
このあたりの値動きの意味が本当によくわからず、非常に難しかったです。147.3付近まで回復し、10日にはその付近で強めのレンジとなり、小動きとなりました。
上にも下にも行けない状態。10日のPPIでは改めて下押ししたもののやはり全戻し。
下が非常に硬いことがわかったものの、かといって上に行くでもなく、一旦高値更新はしたものの、そのあとは上下行ったり来たりの方向感ゼロの動きで、市場参加者を翻弄。
特に10日は、一日通して基本的には触ってはいけない日でした。
9日から10日にかけての経済指標やドル円まとめ
9月9日(水):終値は約 147.39円で推移し、前日比でほぼ横ばい。安値は 146.31円、高値は 147.57円でした。
9月10日(木):日中の終値は 147.37円。高値は 147.65円、安値は 147.12円と、ほぼ前日値をキープ。
背景にあった主な動きと要因
1. 弱い雇用統計(年次改定)によるドル売り圧力
米国労働市場が弱体化し、年次ベンチマーク改定により過小評価されていた雇用者数が大幅に下方修正(約91万人)されたことで、【FRBによる利下げ加速期待】が一気に強まりました。
これにより、ドルは7週間ぶりの弱さを記録、ドル指数やドル全体が売られる展開に。
2. アジア市場でのドル/円の反応
アジア株式市場では、米利下げ期待を背景に株高・債券安が進行。同時に、ドルには一時的な支えも。
ドル自体は弱含んでいましたが、ドル/円では大幅な動きには至らず、レンジ内(147円半ば付近)での推移に着地しました。
3. 主要な焦点へ移行:インフレ指標の発表控え
米国では翌日に8月のPPI(生産者物価指数)、翌日さらにCPI(消費者物価指数)の発表を控えており、市場参加者はその結果を見て今後のFRB判断を見極めようとしていました。
そのため、ドル/円は大きなトレンドを作らず、様子見ムード強まる展開に。
4. 総じてレンジ取引への回帰
前日までの一瞬の変動的な雰囲気にもかかわらず、最終的にドル/円は147.1〜147.6円の範囲内での動きに収束しました。
方向性が出ない「レンジ相場」に逆戻りしたと見るのが妥当か。