FXの基礎知識

FXの取引スタイル4種/もっともお勧めなのは?

FXの取引スタイルには、大きく分けて4つの種類が存在します。

スキャルピングデイトレードスイングトレード、そしてポジショントレードです。

それぞれに一長一短があるのですが、どの取引スタイルが最適なのかは、個々のトレーダーの目標、リスク許容度、時間と資金の制約によって異なります。それぞれの取引スタイルの特徴を簡単に説明し、私のおすすめについても解説していきます。

FXの取引スタイル1:ポジショントレード

ポジショントレードは、実際にトレードを行っている人でも、最も馴染みのないスタイルかもしれません。実際私も、10年以上FXを続けているにも関わらず、つい最近まで「ポジショントレードって?」と全く知りませんでした。(それも大いに問題ですが・・・。)

ポジショントレードとは、長期的な視点で市場に参加し、ポジションを数日から数週間、または数か月にわたって保有する取引スタイルのことを言います。

ポジショントレードでは、主に経済の基本的な要因や長期的なトレンドを分析し、その方向性に基づいてポジションを持つ形となります。

市場の短期的な変動やノイズに左右されずに、長期的なトレンドに沿った利益を目指す、気長に利益を取りに行くスタイルです。そういう意味では、気が短い人には向いていないかもしれません。

ポジショントレーダーは、経済指標やイベント、マクロ経済の動向などを注視し、その情報を元に市場の長期的な方向性を判断し、エントリーします。

ポジショントレードの利点としては、市場のノイズに左右されずに長期的なトレンドに沿った利益を狙えることです。

また、取引頻度が低いため、トレーダーにとってストレスが少なく、他の仕事や活動と両立しやすいという点もあります。

ただし、ポジショントレードはポジションを保有する期間が長いため、市場の変動によるリスクが高いことも考慮する必要があります。

特にFXでは、例えば、長くポジションを保有している間に、致命的な政治的事件や災害が起こったり、リーマンショックのような大きな金融危機が起こったりすると、大きく一方的な変動に巻き込まれて莫大な損失を被るリスクがあるわけです。

そのため、必ず損切りポイントは設定しておく必要がありますし、切られても影響の少ないロットを設定しておく必要があります。

しかし、ロットを抑えればその分利益も限定されるため、その点痛しかゆしと言えます。もちろん、長期であるため、値幅はかなり大きく取る形になりますが。

FXよりもむしろ、株の取引スタイルとしてより向いていると言えます。

 

FXの取引スタイル2:スイングトレード

スイングトレードは、数日から数週間にわたってポジションを保有する取引スタイルです。この取引スタイルでは、トレンドの中で発生する小さな波(スイング)を利用して利益を得ようとします。

スイングトレーダーは、長期的なトレンドが形成される時期を見極め、そのトレンドに沿ってポジションを取ります。

トレンドが上昇している場合はロング(買い)ポジションを、下降している場合はショート(売り)ポジションを持ちます。

ポジションを保有する期間が数日から数週間と比較的長いため、一日中チャートを監視する必要がなく、ポジショントレード同様、他の仕事や活動と両立しやすいという利点があります。

ポジショントレードと比較して、一つの取引で大きな利益を得ることよりも、複数の取引で小さな利益を積み重ねる形となります。

また、ポジションを保有する期間が長いため、短期的な市場のノイズに左右されにくいという利点もあります。

一方で、ポジショントレード同様、市場の急激な変動によるリスクは抱える形となるため、損切り設定は必須です。

 

FXの取引スタイル3:デイトレード

デイトレードは、1日のうちにポジションをとり、同じ日に決済する取引スタイルです。つまり、その日のトレードは必ずその日に終わらせる、ということです。

デイトレーダーは、通常は市場の短期的な動きやパターンを利用して利益を得ます。

デイトレードでは、トレンドの方向性もさることながら、それよりもむしろ、日中の価格変動やパターンに注目し、エントリーポイントを決めます。

例えば、日中の相場の一時的な変動やサポート・レジスタンスの反発などを利用し、エントリーポイントを決めます。また、経済指標や重要なイベントの発表時にも取引を行うことがあります。

デイトレードの利点は、ポジションを1日以内に解消するため、ポジションを保有する期間が短く、市場の短期的なノイズやリスクに対して強い点です。

また、一日の終わりにはポジションを解消するため、オーバーナイトリスクを回避することができます。そのため、ありがちですが、「朝起きたら劇的に変動していて世界がまるで変わっており、驚くべき損失額に」、という最悪の展開を避けることができます。

ただし、デイトレードは市場の瞬時の変動に逆に大きくやられることもあるため、リスク管理が非常に重要です。

また、一日の中で取引を行うために十分な時間を確保し、市場の動向を見極めるスキルが必要です。

FXの取引スタイル4:スキャルピング

スキャルピングは、FXの取引スタイルの中で最も短期的な取引の形です。

一般的に、短時間で小さな利益を積み重ね、基本的に長持ちはしません

通常、数秒から数分間の非常に短い時間枠でポジションを取り、即決済をします。秒単位で決済することを秒スキャ、分単位で決済することを分スキャ、と言ったりします。

スキャルピングの目的としては、市場の小さな価格変動やノイズを利用して短期的な利益を得ることにあります。

トレーダーは通常、高い取引頻度で、何度も何度もエントリーと決済を繰り返し、数え切れないほどの小さな利益を積み重ねることで利益を最大化します。

ここで求められるのは、安定的な勝率の高さ、またはペイオフレシオの高さです。

ペイオフレシオとは、勝ちトレードの平均利益額が負けトレードの平均損失額の何倍かを表す指標のことです。

勝率が安定的に60%あるとしたら、仮にすべての取引の利益と損切りが全く同じ場合、確実に利益が出ます。

しかし、勝率60%でも、損切り1回あたりの損失が1万円、利確1回あたりの利益が5000円であれば、当然のことながらトータルでは大きくマイナスになってしまいます。

そのため、ペイオフレシオを改善しようと考えるならば、利幅は大きく、損切りは小さくを意識する必要があり、その上で5割程度の勝率を維持できるなら、トータルでは確実に勝つことが可能です。

スキャルピングは、その短い取引時間と取引頻度の高さから、高い集中力を必要とし、市場の瞬間的な動きに素早く対応するスピードが求められます。

また、高いレバレッジで取引を行うことが一般的なため、大きな利益を狙える反面、損切りが遅れると致命的な損失を被りかねない取引スタイルと言えます。

私の取引スタイルは基本的にこのスキャルピングなのですが、損切りが遅れて何度大きな損失を出したかわかりません。絶対的に「逆に言ったらすぐ切る」が出来ない場合は、選択してはいけない取引スタイルです。

スキャルピングの利点としては、ポジションを短期間で解消するため、市場の短期的な変動やリスクに対して強く、あまり気にする必要がありません。

ただし、経済指標時や為替介入時など、瞬間的にドル円で1円単位で動くような場合、人間では対応不可能なため、一歩間違うと絶望的な損失を抱えることになります。

決済同時発注が出来る事業者を利用しているなら、忘れずに活用しつつ、伸ばしている途中ならストップを入れておくなど、万が一の事態に対する備えも重要です。

また、値動きのくせを敏感に察知することができなければ、なかなか利益を出しにくい面もあるため、プライスアクションをある程度読めるようになるまで、経験を積む必要があります。

 

以上、4つの中のどの取引スタイルが最適かは、各々ご自分で自分の性格や資金、取引時間を考慮の上、決めてみてください。

この選択を間違うと、勝てるものも勝てなくなってしまうので、しっかり考えて、なおかつまずはデモや小ロットで試してみるのをお勧めします。